生活習慣を指導するときのポイント

看護師が糖尿病治療に携わるときには、患者さんが必要としている治療法を確実に実践できるように、指導と併せてフォローを行うことが大切です。
しかし、食事療法が必要な場合、その理由と内容を患者さんに理解してもらう作業は容易ではありません。
とりわけ食事制限の指導に関しては、難しさを実感する看護師は少なくないようです。

糖尿病患者の約9割がミドル世代を過ぎてから発症していると言われており、そのほとんどが肥満を伴っているそうですが、高血糖により血管障害が生じ、合併症につながるリスクが見過せない状況であっても、なかなか食事制限の必要性を受け入れてもらいないというのが現状です。
そのため、糖尿病の患者と接する看護師は、いかに食事制限が大切なのかを伝えることに悩まされているといいます。

しかし、こうした患者さんの指導に当たるときには、コツを抑えておくとスムーズに行くこともあります。
看護師は、生活習慣の改善が糖尿病治療の最重要課題であることを正しく伝え、食事の指導をしなければなりませんが、それが一方通行の内容になってしまうと、患者さんは事務的にしか捉えてくれなくなります。
ですから、まずは相談に乗るスタンスでコミュニケーションを図ることがポイントになります。
そして、いきなり食事制限の内容を突きつけるのではなく、患者さんが実践できそうなことを共同作業で探っていくようにしましょう。

糖尿病の看護では、患者さんが自分の身体の現状を受け入れたうえで、極力ストレスを感じない方法で食事療法を続けられるようにアドバイスをすることが大切です。
さらに、頑張れば評価をし、モチベーションを維持できるように叱咤激励するようにしてみてください。